BLOG



3月17日、講師・モデレーターに東京大学教授の影浦峡先生をお迎えし、「リテラシーワークショップ」を開催しました。

全4回を予定しているうちの第1回目となる今回は、
主に「読む・疑問を感じる」「広げる・整理する」というテーマに重点が置かれたワークショップでした。

午前中の第一部では、影浦先生から、
「言葉でしか捉えられないものとは何か」
「何のために言葉を使うのか」
といった本質的なところをじっくりとお話いただき、
普段私たちが意識せず見聞きし使っている言葉について、いろいろな気づきを得る時間となりました。

また、はっぴーあいらんど☆ネットワーク演劇プロジェクト「天福ノ島」の一場面を皆で視聴し、
『目に見えないものは奪われてもなかなか気づけない』という台詞がキーワードとして取り上げられました。

お昼休憩を挟んだ第二部では、今年2月の新聞記事3種を題材にして、
テーブルワークを中心に話し合いを行いました。

その中で影浦先生が何度も私たちに話してくれたのは、
「違和感を持つことの大切さ」そして「それを言葉にすることの大切さ」でした。

新聞記事の内容や見出しや記事の書き方に、
もやもやと感じる「違和感」。
でも、それを正確に指摘したり表現したりすることはハードルが高いように感じてしまい、
飲み込んでしまうこともしばしばです。

しかし間違っているかどうかではなく、「違和感を言葉にすること」はとても大事なんだ、と。
そして、違和感を感じることや、痛みを感じること、それは誰からも否定されていいものではない、
なぜなら「私自身の痛み」なのだから、と。

取り上げられた新聞記事は、
2/16福島民友「飯舘と東京、五輪つなぐ/小学生が古里魅力紹介」
2/22福島民友「郡山産コイ味わって/中学校24校で給食提供」
2/24福島民友「飯舘 誇れる古里に/五輪・パラ『ホストタウンサミット』中学生、ラオスとの交流促進」

これらの記事を読んだうえで感じた違和感を、県内外からの参加者それぞれの視点で言葉にし、
ではなぜそう感じるのか、何がおかしいのかを、
「内容の真偽」「誰が誰に対して何をしているのか」「記事の書き方に対する違和感なのか、出来事に対する違和感なのか」と
ひとつひとつ整理し分析していく作業を行いました。

終了後、新潟からの参加者が、「県外から見て、すごく異様なことだという印象を伝えるのも大事だと思った」
という感想を伝えてくれました。
影浦先生のスライドにあった、「俺たちってどうやら濡れてるらしいぜ」という吹き出しのついた金魚のイラストが思い出されました。
当たり前に水の中にいて、濡れていることに気づけない金魚にならないように・・・

たっぷりと4時間をかけたワークショップでしたが、
時間が足りないという声がたくさん聞かれるほど、あっという間で充実した時間となりました。

次回は6月23日(日)の開催です。お申し込みはこちらからお願いします。
初めての方や、お子さん連れの方も大歓迎です。ぜひぜひご予定ください。

前の記事: