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●甲状腺検査評価部会とは?
平成23年3月11日の東日本大震災の影響により、東京電力福島第一原子力発電所がチェルノブイリ原発事故と同等のINES(国際原子力事象評価尺度)レベル7の事故を起こした結果として健康影響が懸念されるため、県民の健康を見守るために事故当時おおむね18歳以下の子供たちを対象として平成23年10月より甲状腺検査が開始されました。その結果に関しては、年4回県民健康調査検討委員会で報告されています。その中で県民の注目が集まっている甲状腺検査に関して特化した部会が必要であるとの意見を受けて、甲状腺検査評価部会が組織されました。
具体的には平成25年6月5日に開催された第11回県民健康調査検討委員会にて、日本学術会議推薦の春日文子委員からの「検討委員会の委員の変更があったこの機会に、甲状腺がんについて特化した専門部会のようなものをこの委員会の下につくっていただいて、もう少し頻繁に県民の方にご説明をいただいたり、時間をかけて説明していただくようなそういう機会をつくっていただいては如何かと思います。」
第11回県民健康調査検討委員会、議事録P24
という提案をもとに設置され、平成25年11月27日第1回甲状腺検査評価部会が開催されました。第1回会議の冒頭では検討委員会座長の星北斗氏から「県民健康管理調査の中で甲状腺検査についてより専門的な見地から評価、紐解いていただく目的で提案させていただいた」
第1回甲状腺検査評価部会、議事録P2
と「甲状腺検査評価部会」に関する説明がありました。

第1回から第6回までは、先行検査(1巡目の検査)に関してのみの検討でした。その結果をまとめたものが、「中間取りまとめ」として発表されていますが、その内容としては「わが国の地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い。この解釈については、被ばくによる過剰発生か過剰診断(生命予後を脅かしたり症状をもたらしたりしないようながんの診断)のいずれかが考えられ、これまでの科学的知見からは、前者の可能性を完全に否定するものではないが、後者の可能性が高いとの意見があった。一方で、過剰診断が起きている場合であっても、多くは数年以内のみならずそれ以降に生命予後を脅かしたり症状をもたらしたりするがんを早期発見・早期治療している可能性を指摘する意見もあった。」と報告されています。
中間取りまとめ

2018-05-02 ブログより
甲状腺検査の学校検査は強制性があるの?

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